恵那山登山は最強の前宮ルートだった

キッカケは、何かの拍子に、保古の湖キャンプ場に立ち寄った時だった。「来週恵那山に登って避難小屋でストーブにあたってくるけど、来る? 薪を担ぐ仲間が多い方がいいんだけど。」
ということで、突然決まった恵那山登山。ただ、残雪期の靴が無い。最初に思ったのが巣鴨のゴロー。一昨年、オーダーで靴を作ってもらったから、足型はあるだろう。WEBでも頼めそうだ。納期は?とサイトを見たら、革の入手が出来なくなり、ほとんど受注中止。悲しいなあ。
仕事帰りに栄の好日山荘に寄って、安価なキャラバンを調達した。踵があったので、多分OKだが、念のため、その後、朝の散歩で林道を歩いた。幸いに、他の道具は全部足りた。
ただ、根の上の小屋に置いて常用しているものもあるし、でかいザックは行方不明だ。愛用のサーマレストも行方不明のまま。。。。
前日の確認で最低気温予測はマイナス10度。厳冬期の根の上高原よりは暖かい。快晴予測だから大きな問題はなさそうだ。

で、当日、一旦根の上高原に登り、仮集合。全員顔見知りというか、元同僚。ザックは管理人のサブを借りる事にして、中身を詰め替え。一端離脱し、小屋に放置してあったビールや酒を詰め込んで、ピックアップしてもらい、恵那山神社集合場所。カヤック仲間のMI君もジョイン。どうも、予想していた、黒井沢ルートではなく、前宮ルートだそうだ。まあ、GPSにルートをいれるでもなく、お客さん状態だが、スマホに周辺の地形図をダウンロードしておいた。スマホは一昨日から最新のアクオスになり、電池の持ちも良い。
今回は5人のパーティー。隊長は長老のAさん。バリバリの山岳部出身だが、ハイキングに出るような出で立ち。副隊長は、アウトドア達人の管理人氏。ちょっと心配なのが週末スタッフのTさん。格好はともかく、運動不足らしい。
9:30歩行開始。標高650m。高低差は1500m。結構キツそうだ。10時に登山口。


暫くすると、マジかよ!というような劇坂が続く。普通だったら、左右に50mは振る九十九折道があるような場所を直登坂するルートだ。実際に数カ所では自然に手をついて四つん這いで登った。
背中の薪約4キロが重く方にリュックがくい込む。腰にもきている。
昼食が12時。この段階で、まだ1200m。大丈夫か?尾根道に出て、一旦傾斜は和らぐ。が、代わりに岩場。股関節が柔らかくて良かった。そして、再度劇坂登り。3時に1800m。

少し積雪、というか樹氷が落ちたようだ。Tさんは、ほとんどノックアウト状態。ベテランのAさんが付いているから大丈夫だろう。
こちらも日暮れ前に着ければいいが、と少し不安になりながらも、写真を撮ったりしながらゆっくりと登る。樹氷が美しい。

ここから2000m辺りがキツかった。10m歩いては、30秒休憩の繰り返し。筋肉ではなく、心肺にきている。心拍を計測しなかったが、180拍を超えていたとおもう。
午後5時に2100mでヘッドライトを装備、暫くして点灯、ほぼ同時に日が落ちた。ここからは、お椀を伏せたような恵那山の緩やかな尾根を急ぐ。やがて神坂峠からの合流・分岐点。もう一息。向こうから先行した管理人氏が手ぶらで戻ってくる。あと10分。後続のTさんのサポートに向かうとのこと。避難小屋には先客が、とも断片情報も。一緒のMI君と先を急ぐ。
1800避難小屋着。ストーブの煙突を直し、持ってきた乾いた薪を突っ込むと、あっという間に温度が上がった。やがて5人全員が揃い、そのまま宴会モード。

アルコールが入ればバタンキューに近い疲労だ。酒は控えめに、みんなで鍋。ヘッドランプに装着するデフューザが役に立ったが、それでもヘッドライトを装着しないと鍋の中身が見えん。。

先客のIさんとは、Facebookの保古の湖キャンプ場で繋がっていた。恐るべしfacebook。
到着した時には晴れていて、Iさんと一緒に人工衛星を見ることができたが、やがてガスが掛かり電波の入りが悪くなる。
夜中に目が覚め、携帯の電波をキャッチ。同僚の親族の死を知る。ほぼ同じ世代。既にある程度の情報を得ていたが。この山頂ではいかんともし難い。神坂峠まで家内に迎えを頼めば、お通夜に間に合うか?自分のことも含めてあれこれ考え、ウトウトしてたら朝になった。
朝、既に雨戸が打ち付けられて、冬支度の終わった真っ暗の山小屋でヘッドランプを使い、あんパンをかじる。薪ストーブが暖かい。


外に出て、朝日が登るのを見る。自然は美しい。それに比べると人間は。。。と感傷的になる。第三者と電話連絡をとり、同僚の意向を尊重して、式には参列しないことに決め、弔意のみとした。
9時出発。4:30発で登って来た人とすれ違う。我々は8時間。4時間半で登ったのか。荷物が軽くても、それは無理だな。鍛えよっと。帰りは軽アイゼンを装着。荷物も軽く、足取りも軽い。2時間で1800mまで降りた。この辺りで足を捻じった。
無理をせずゆっくりと下ることにする。今度は反対側の足に来た。さらにペースを落とす。翌こんなところを登ってきたなぁと思うことしきり。12時の昼食を沢で取る。登山口まではもう直線で500m程だが、もう疲労も限界。4時間半で登山口。なお、途中、時計は止めていない。

カテゴリー: 日記・コラム・つぶやき タグ: , , パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です