原発の無い社会を目指して2

道の駅シーサイド高浜にて車中泊。この町にも原発があることと関係するのか、立派な道の駅だ。本日は原子力発電所のサイトで抗議行動が朝7時から予定されている。

車で移動すると、既にかなり前から路上駐車の列。先のトンネル内部では泊まり込んでいる人も。
若い人が多い。まだ赤ちゃんやバギーで子連れも普通である。
昨日もそうだったが、ファッションには特徴があり、女性のスカートが長い。髪の毛は長いか短いか。男性は超ロンゲ風な人も。トンネルを抜けさらに100m程あるくと警察車両が見えてきた。
見た目500m位奥には天文台にも見えるドームが。恐らくは原子炉本体を格納している施設だろう。
既に正門前には車でバリケードが築かれて、不思議なことに正門を入った地点で警官隊とのにらみ合いが続いている。(写真は正面ゲート後方から入り口を撮影。正面の写真は掲載を控えます。)
市民が個人で参加するので、統制は無いに等しく、様々な抗議の形がある。若い人は過激だ。
最近の若いモンは、と行動をたしなめるのは簡単だが、自分が彼らと同じ年頃の頃にはこうして自分の意思をはっきりと表示できただろうか。私だけではなく、おそらく大抵の人が「長いものには巻かれろ」的教育を受け、そう育ってきたはずである。インターネットの普及やここ数年のSNSの普及により、個人で動きやすい環境が整ってきたということも影響してはいるだろうが、「いやなものはいや」と言い切り、それを行動で表す若い人たちに正直に感銘を受けた。
市民グループ側では打楽器が幅をきかせている。雨のなか、ドラムセットが台無しだなぁと、そんな事を思っているウチに雨がさらに激しくなり、ドラマーが変わった。小さな(失礼)裸足の女の子だが、恐ろしくパワフルだ。鳥肌が立った。

オフィシャルには関電の責任者が登場し、今日も書類の受け渡しがあるはず、だったが、デモ隊の道路と施設内への立ち入りが影響したのか、関電社員は一人もいない。警官と警備員のみ。間にはバリケードもサクも無い。透明の盾を持ち、不気味な表情で立つ警官。
代表が抗議をし、その後に福島から来た女性が続く。なかなか素敵な抗議だった。「上司の言うことを聞くだけの人生に何の価値がある。あなたたちにも親があり、子供がいる人もいるだろう。大切な人を危険にさらしてもいいのか。今すぐあなたの上司にものいいなさい。これは間違っているとはっきりといいなさい。 大切な人一人さえ守れない人間が、どうして国をまもることができるんだ。。。。」といった感じ。カッコ良かった。
概ね、参加している女性はパワフルだ。こんな事があった。
代表が抗議する間、私は写真を撮るべく、直ぐその左後方にいた。(右の写真)私と警官の間に隙間ができると、アナウンサー風の女性がさっっと割って入り、背中で警官隊を押し返した。「押して」、と言われてもコチラ向きの女性をどう押せばいいのか。満員電車だったら、逮捕されそうな事態だが、遠慮無く、密着させた。(ちょっと脇からです。ハイ)
事態の収拾方法を見たかったが、ミケさんの撤収指示があり、一端車に戻り、コンビニ昼食。併せて雨合羽の購入。土砂降りで、自転車用のカッパではびしょ濡れだ。
一端戻ったが、状況は変わりない。帰路につくべく、数名の方に挨拶。声明を読み上げる代表の方は、今後の連絡先として、先ほど体を密着?させた女性を紹介してくれた。名刺を頂くと、e未構想という京都の団体の代表Hさん。事前了解の上でFacebookでお友達申請をしましたが、まだ返事がない。無事に帰れただろうか。ちょっと心配だ。
ドラマーの女性
とも少しだけ話ができた。PIKKA☆さん。本職だったようである。ありがとう。
疲れ切ったミケさんと共に2時過ぎには後ろ髪を引かれる思いで現地を後にした。
若者よ、後はよろしく頼む。帰りは全部ミケさんの運転。二人で行ったので経費は半分、一人当たり6K円。ありがとうございました。
一番印象的だったことを一つ。ドラムに合わせて踊り、声を張り上げ、激しく反対する人に交じって外国人が一人、最前列で警官隊に背を向けて立っていた。小さなプラカードを持ち、微動だにしない。そこにいるだけ、というと確かにそうなのだが、「誰にも迎しない。何があっても私はココを動かない。」という非常に強い意志を感じた。プラカードを持ったまま、微動だにしない、というのはとても疲れると思う。私にはとてもできないが、素晴らしいと思った。残念ながら、お話できなかった。

各社の報道はバリケードの外を撮影した画像を使用しており、内側は報道されていないと思うから、彼を見ている人は少ない。例外はIWJ(岩上安身氏主宰)で、二人体制で張り付いていたが、ここはネット中継専門で、解像度が低い。が、その態度に敬意とカンパを表したい。
夜に帰宅し、デモ隊が警官隊によって排除される様子もIWJのおかげで中継されており、様子を見ることができた。同志(笑、大丈夫だろうか。
東京で首相官邸へのデモ行進の様子がほとんど報じられることが無かった事を思うと、今回の活動は各社ニュアンスに違いはあるものの、一応報道されており、まだまともか。
そんな訳で全く普通の中年おっさんが、エネルギーあふれる若者と一緒に過ごした2日間でした。

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