トップアスリートと睡眠

睡眠環境学会2日目。参考になる部分があるかもしれないので。
抄録からではなく、講演の手動要約です。
ソウルオリンピック金メダリスト、ST日本レスリング協会強化委員長による講演内容より。
なぜ私は金メダルを取れたか。
1.夢 
 大きな夢 夢の実現化 熱い志 高い志 野心的である
2.計画
 目標の明確化、目標達成の計画、実際に現実化できるのか、現実をしっかり見据えたのか、さらなる自分の可能性を発見出来るのか。
3.心構え
 全てに真剣に取り組む、妥協を許さない
4.自信決意
 積極的指向、肯定的指向 人間は誰でも成長する能力を持っている。
この部分は書籍やインタビュー、新聞記事など、多くの金メダリスト、プロ選手の考え方、生き方が紹介されていますが、ほぼ全て共通していると思いる。
他、NTC、JISSについて、およびトレーニング内容の詳細。
「ジュニア期に楽なトレーニングを学んだら、世界は見えてこない」
競技力向上の三要素ートレーニング、栄養、休養についてなど。時差ボケの解消。心が常に戦闘状態など。
トレーニングと栄養はよく管理されていますが、睡眠は全く無管理。血中乳酸MOL濃度は測っても、成長ホルモンの分泌量は計っていません。トレーニングは体を壊すだけで、修復するのは、休息時。金メダルの数を増やすのなら、睡眠を含む、休息についての研究も必要だと思う。
私の専門分野の一つである睡眠について、補足しておきます。
トレーニングの負荷を徐々に高めることで、より強くなる「超回復」がアスリート成長のカギ。
超回復には成長ホルモンの分泌が重要である。
成長ホルモンは夜10時頃に分泌量が最大となるほか、運動直後にも増大する。
成長ホルモンの分泌は、睡眠の深さ(stg4)に関連する。
早く、深く寝ることが、強くなる秘訣。
1.アルコールは寝付きをよくするが、肝臓をはじめ、血液需要を増大させ、睡眠が浅くなる傾向。利尿作用により、中途覚醒につながる可能性。
2.哺乳類は、明け方に向かって体温を下げるために、睡眠中にも汗を蒸発させなければ、ストレスが増大する。
3.寝具の蒸れ対策が、重要(理想は33度C+ー1度、相対湿度50%+ー10%)
4.夜8時を過ぎての蛍光灯、LED照明(白色)は、メラトニンの分泌を阻害する。
5.夜8時の散歩は睡眠を深くする。
6.水分を取ることで、就寝中の水分蒸発に事前に対応する。
具体的な対応策として、上記でわかりにくい部分を補足すると、
合繊系の寝具(アクリル毛布など)をやめる。吸湿性の高いのは素材別では羊毛。羽毛は側地次第。
照明は、電球色にする。
以上学会会場で、うまく電源を確保しての中継。これ以外にも興味深い話が多く、今回の学会は参加人数が大きく減ったことを除けば良かったのではないか。
以上専門分野のご紹介でした。

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