昨日、今日と恵那のクリスタルパークへ行って、生まれて初めて、国体のスピードスケートを観戦してきた。ガキの頃は当たり前の様にスケートをした。今だに当のスケート靴を大事に持っている。恵那市にクリスタルパーク恵那が出来た時には、ちょっと嬉しかったのを覚えている。
時折イベントが開催されているのは知っていたが、行ったことはなかった。
今回は自由になる時間を利用しての初観戦。月曜日は槇ケ根に車を停めて乗り換え、シャトルバスで移動。
スケートなんて、二人で外と中を入れ替わって走って速い方が勝ちと思ったら、さにあらず。競技終了前でも先頭をひいた選手がどんど下がって、クールダウンする。
女性アナウンサーが「◯◯選手、責任先頭終了であります。」とか言っている。で、早速スマ歩でぐぐる。周りのツウらしきオバサンが仲間内で解説しているのが聞こえる。こちらもそうそうググる。。予選や準決勝では、距離に応じて一定の回数、先頭を走ることが義務付けられる。で、自動的に予選通過となる。1500mなら、1回。国体の特別ルール。このシステムなら、先頭をひいた選手は報われる。
駐車場に特設された出店で昼食をとり、最後まで観戦。意外と面白い。
帰りのシャトルバスを随分と待たされた。30分以上、零度近辺の日陰で待つのは、お年寄りにはきつい。この辺りの運営の改善が必要と思われる。
火曜日は最終日決勝。車で会場まで移動。やはり氷点下だが、日当たりがよく、日が出ていれば寒くはない。
表彰台の正面二階席に陣取る。逆光になるが、暖かい。
一度だけ、コース際に降りた。写真は撮りやすい。おまけに、ゴール後のハイタッチも期待できる。(ミーハーな。でも、女子3千mで優勝した、阿部真衣選手(北海道)の笑顔は本当にすてきだった。)
選手の名前が前方の電光示板に表示されるが、肉眼では、視力2.0でも見えない。
コンパクトデジカメで、最大限にズームして、撮影して初めて読める。(撮影しないとぶれて読めない^^;;)
本日の圧巻は男子5千メートル。12周。岐阜県からは2名。共に専修大学~十六銀行の、出島選手と道下選手。出島選手はバンクーバ五輪代表。
号砲と同時に、出島選手がスタートダッシュを決め、単独の逃げ。責任先頭制度をことごとく一人で獲得していく。後輩の出島選手が3位につけている。
周りの応援は逃げ切りを期待したようだが、国体レベルでさすがにそれは無いだろう。
ツールドフランスを中継する栗村監督的に考えてみた。
1)行けるとこまで行って、後は残り少ない責任先頭を我先に争ってもらい、つぶし合いを期待する。
2)自転車の逃げのように本命の選手がポイントを取れないように先頭がポイントを獲得する。
などと考えているうちに、8周ほどが経過した。一時半周ほど開いた差は徐々に少なくなって、逃げていた出島選手は吸収され、最後尾に下がった。残り周回数4回、先頭責任権利は8回で4回の責任先頭を果たせるのは最大でも2人。どんなにゆっくり滑っても3位入賞は確定。次の瞬間、2位となった、道下選手ががカウンターアタックで前に出て、先頭を3回取得した。
この段階で作戦は明確になった。
3千mでは4回の先頭責任を果たした者から上位着順を得る。この権利は400mに2回発生するので、残り6回のうち、後一回、道下先頭が先頭をとれば、おそらく後は奪い合いになって誰も4回の先頭責任を果たせない。しかし、選手が気がついたのか、監督から指示があったのか、4回目は壮絶なつぶし合いとなった。通常一列棒状の体型が乱れて、誰が先頭通過かもわからないほどもつれた。結果、道下選手は先頭を取り損なう。足を使いすぎたのか、彼は大きく順位を下げてしまう。北海道の選手が残りの先頭責任をゲットして、先頭ゴール、レース終了。
4回の責任先頭を果たしたのは二人のみ。この二人が入賞し、後は着順の早い順に3位、4位と決まるから、出島選手は実際の着順には関わらず、2位確定。
以下は想像の会話。
レース前
出島選手「おい、道下、俺が逃げて先頭をとって行くから、その間、おまえは2人目につけて、俺が吸収された瞬間、先頭責任を取りに行け。」
道下選手「はい、先輩、わかりました。」
レース後
出島選手「惜しかったな。接戦を制すのが今後の課題だ」
道下選手「入賞おめでとうございます。力不足ですいませんでした。」
その後、岐阜県のレース関係者と会話する機会があったので確認すると、彼もほぼ、同じ見解だった。
ロードレースもそうだが、個人競技とは言え、団体のあるレース。存分に楽しまさせてもらった。