家を造るときに心がけたこと

家を買う、という表現をする人がいますが、アリもので欲しい家がありませんでしたので、以下の事に留意して家を造りました。
結果的にログハウスになりましたが、自分で手を使って造った部分はわずかです。

1.健康的で快適であることに最大限留意した。

VOCの発生がないこと
温度湿度が快適であること
気持ちの良い空間であること
家族の団欒があること
怪我(特に子供、高齢者への配慮)の恐れが少ないこと

2.長持ちする安全な家を目指した。

基礎がしっかりしていること
木の家なので、湿気と火災に対する配慮

3.環境配慮を心がけた。

長期展望にたった製造エネルギーが低いこと
廃棄エネルギーが低いこと
存在が環境を汚さないこと

 

1.

VOCの発生防止
最近騒がれているVOCによる建物内部の汚染ですが、これは意外に簡単です。天然素材で家を造れば、問題はほとんど解決します。
VOCは主として接着剤から発生します。合板、壁紙、グラスウールといった、接着剤を使用しているもをを自宅から排除すればいいだけです。

という事で、木造に漆喰壁や珪藻土、あるいはログハウス、など選択肢はかなり限定されます。
結論は、長持ちする、という事も考え、東濃(加子母)産ヒノキのログハウスとなりました。
木の家にすることで、湿度変化の少ない快適な家になりました。ヒノキの木肌は目に優しく、5角形の吹き抜けリビングを相まって、心安らぐ空間を作ることができました。
もちろん、壁紙はありません。

グラスウールは、整形するために、接着剤を用います。それをさけるために、我が家では羊毛断熱材を採用しました。
羊毛は大量の湿気を繊維内部に表面を濡らすことなく保持し、放出します。
空気の乾いたときには、内部から湿気を出して、湿度の高い時には、また内部に取り込みます。
羊毛は木と同様に呼吸します。また、成型は低融点融着ポリエステルで行うので、VOCの発生はなく、それどころか、VOCを吸着します。
また廃棄エネルギーが低い(生分解性)のも特徴です。

VOCの発生源として、もう一つ大きなものに家具があります。「新しい家具は買わない。必要な家具があれば、建付ける」方針としました。
これには松の一枚板を多用しました。<-問題は、乾燥がわるく、寸法変化が大きくて隙間があいています^^;;
カーテンも綿やウール生地から手作りしました。様々なカーテンが販売されていますが、抗菌使用、形状安定など、様々な「付加価値加工」が施してあり、安全である保証がありません。
勤務先近くの機屋さんから、余り物の生地を分けてもらい、カーテンにしました。
建具屋さんが使った押入の扉合計6枚のベニヤ板と、電気&LAN配線などがホルマリンの発生源としてのこりました。

温度湿度環境
風の強い地域に建つ家ですから、夏は風をいれれば、さほど熱くならないハズです。家の北側にも窓を6個設置して、風の抜ける家にしました。
5寸X4寸のヒノキ、家全体でコンテナ1本分の羊毛で湿度変化の少ない家になりました。

気持ちの良い空間を目指して、リビングは吹き抜けとしました。
暖房は薪ストーブと決めていたので、薪ストーブを中心に扇形に広がるリビングを考えたら、結局、船のような形の家(5角形)になりました。
ストーブの前に羊毛の絨毯を敷きました。家族がここに集まり団欒の空間ができました。

バリアフリーは議論の分かれることでした。しかし、若いうちからバリアフリーは必要ありません。特に子供が「バリアフリー」で育って、バリア・アリーのところで不便をしないか、と結局改造すれば、バリアフリーにできるようにしました。
当初は絨毯を敷き詰める予定でしたが、厚さ3センチにしたヒノキ無垢材の床(しかもその下には羊毛断熱材が10センチ)は踏み心地もよく、冷たくありません。
当面はこのまま行くことにしました。
しかし、ケガについては、様々な配慮をしました。
例えば、階段。途中で90度曲げてあります。これで、蒲田行進曲(忠臣蔵といえ!)よろしく、一番したまで転げ落ちることはありません。
お風呂も希望はヒノキのお風呂でしたが、耐久性、滑り具合を考えて、ユニットバスにしました。我が家で一番工業製品が使われている箇所でもあります。